会社や事業を成功まで導く過程において、ビジネスモデルの構築はもはや必要不可欠と言えます。
会社を経営していくには、顧客のニーズに基づいたものやサービスを考え、提供し、利益に結び付けなければなりません。

あらかじめビジネスモデルを設計しておくことで、自社の事業拡大をスムーズに行えます。

当記事では、ビジネスモデルの概要や構築方法、そして重要ポイントを細かく解説します。

ビジネスモデル構築の基礎知識

起業や事業展開を目の前に控えている時点を想定し、知っておくべき以下の3つを紹介します。

ビジネスモデルとは何か
ビジネスモデルの種類
ビジネスモデルの要素

1つずつピックアップして解説します。

ビジネスモデルとは何か


ビジネスモデルとは「利益に繋がる商品やサービスに価値を見出し、顧客に提供する」一連の仕組みを指します。

ビジネスモデルを構築するにあたり、顧客の中でも「年代・性別・所得」などの情報からターゲットを絞り、展開したい事業において、どのような「サービス・もの」に価値を感じてもらえるかを重点的に考えることが必要です。

ビジネスモデルの種類

現代では様々な業界や業種が存在し、それぞれのビジネスモデルがあります。
その中でも王道といえる6つのタイプを表にして解説します。

ビジネスモデルのタイプ構造業界・業種
広告モデル自社のSNSなどに他社の広告を載せることにより、利益を得る仕組み
利益の内容は、広告掲載を依頼した会社からの掲載料です
・テレビ局
・インターネットメディア
・新聞社
小売りモデル商品を仕入れて、売ることにより利益を得る仕組み
販売モデルと違って、商品の製造過程がない
・コンビニ
・スーパー
・百貨店
販売(物販)モデルサービスや商品を作って、提供することにより利益を得るシンプルな仕組み・飲食店
・自動車業
・農家
マッチングモデル商品やサービスを提供したいユーザーと利用したいユーザーを繋げるアプリやサイトを提供する
その対価として、ユーザーから利用手数料を支払ってもらい、利益を得る仕組み
・フリマアプリ制作会社・不動産仲介会社
フリーミアムモデル一部の基本サービスを無料で提供する
より多くの機能やサービスを受けたいユーザーには有料で提供することにより、利益を得る仕組み
・アプリゲームの制作会社・漫画、新聞アプリの制作会社
サブスクリプションモデル一定期間に決められたサービスや商品を提供する
その対価に一定額を毎月支払ってもらうことにより、利益を得る仕組み
・動画、音楽などの配信サイト
・自動車、洋服などのレンタル会社

ビジネスモデルの要素

ビジネスモデルには数多くの種類が存在します。
種類は多いですが、構築する際の基本要素はどのタイプも同じです。

ビジネスモデルは以下の4つの要素から成り立っています。

何を (What)

対象の顧客に対して、どのようなサービスや商品を提供していくのかを明確にします。
提供するサービスや商品は、どのような人たちに満足してもらえるのかを、思索する必要があります。

誰に (Who)

自分の会社が誰にサービスを提供したいのか、などのユーザー像を設定します。
ユーザー像を絞り込む際、今現在の顧客に対してだけでなく、今後顧客になるであろう層にも着目することが大事です。

どのように (How)

Whoで決めたターゲットに、Whatで定めたサービスや商品をどうやって認知してもらうのか、届けるのか、といったビジョンを設計します。
そのためには、認知してもらうための手段や集客の方法などを具体的にまとめることが大切です。

どうして (Why)

Howで設計したビジョンを基に、「どうして利益に繋がるのか」を追求します。
利益を生むためには顧客のニーズに応えつつ、指標にしているターゲットやサービス、商品を競合他社に劣らない内容にするという、独自のアイデアを出す必要があります。

What、Who、How、Why という要素を具体的にまとめることで、これから構築するビジネスモデルの根本を明確にできます。

ビジネスモデルをつくるメリットとは

自社事業の成功、そして利益を追求していくためには、自分たちは何が強くて、何を売りにしているのかを理解しておく必要があります。
理解を深めるうえで、ビジネスモデルの構築は重要なフレームワークです。

どうして事業に対する理解を深めることが大事なのか、理由も含めてビジネスモデルを構築するメリット3つを解説します。

1, 自社事業への認識を深められる

ビジネスモデルを構築するプロセスを踏むことで、自社が目指して行きたい方向や強み、市場における規模が明らかになります
方向性や強み、一つ一つの過程などをしっかりと噛み砕いて理解すれば、これからの会社像が少しずつ見えてきます。

2, 問題点をあぶり出し、改善に繋げやすくなる

未来の事業の姿を想定すれば、これから出てくるであろう課題や問題点を予測できるようになります。
課題やミスといった、壁に直面する度に立ち止まってしまうのではなく、すぐ切り替え対応し、改善することが一番望ましいことです。

事業のビジョンを掲げることで、すぐ切り替えることができる余裕を持ち、素早く対処できるようになることがメリットです。

3, 自社事業の方向性を再確認できる

構築したビジネスモデルを振り返ると、改めて自社の分析を行うことも容易になります。何度も振り返り、社員間で共有や議論すれば、今まで無かった新しいビジョンが見えるという副産物も得られるでしょう。

社員同士のコミュニケーションが増え、信頼が厚くなることでチームシナジーが生まれ、自社の強みになります
各業界の競争が激しい昨今では、方向性を素早くシフトチェンジすることがあるので、あらかじめ自社のビジネスモデルを持つことはとても大きなメリットです。

プロセルトラクションがビジネスモデル構築をサポート

この記事でビジネスモデルとは何か説明していますが、事業を進めていくなかでビジネスモデルを構築することは難しいことです。私たちプロセルトラクションではあなたの会社に適切な方法でインサイドセールスのご提案から実践までを支援しています。

まずは話を聞いてみる

ビジネスモデルをつくる前に知っておきたいこと

ここまでビジネスモデルの概要や構成要素、メリットを紹介しました。
これから解説する内容も理解すれば、専門的な知識や事例の引き出しが多くなり、ビジネスモデルの構築だけでなく、事業を展開していくなかでも役に立ちます。

実際にビジネスモデルを構築する前に、あらかじめ知っておくことで役に立つ事柄を3つ解説します。

競合他社の事例

自社事業を軌道に乗せるために良い準備といえるのは、「競合他社の成功事例を知っておく」ことです。何故(Why) 成功したのか、どのようにして(How) 顧客に認知してもらえたのかなどを正確に汲み取ることが大切です。

得た情報を自社に当てはめることで、これから解決すべき課題や問題に気づくヒントに繋がります。

ビジネスモデルのトレンド

急激なデジタル化が進む現代では、SNSを活用したビジネスモデルが一躍注目されています。
SNSを活用したビジネスモデルのなかでも、サブスクリプションモデルフリーミアムモデルの2つが増えてきています。

サブスクリプションモデルとフリーミアムモデルのどちらも、ユーザーに課金をしてもらうことで使えるサービスが増えたり、商品が貰えたりします。

(例) 試用期間内は全てのサービスを使えるようにして、続けて使いたいというユーザーには毎月〇〇円などの定期課金を促す

ビジネスモデルをつくる際の注意点

顧客満足度自社事業の可能性将来性】この3つを意識し考えることで、より具体的なビジネスモデルができあがります。
顧客ニーズや利益の追求といったビジネスの根本を見つめなおすことで、構想を練った後に「つくったビジネスモデルに沿って事業を進めたのに、思ってた結果と違う」などのエラーを引き起こしづらくなります。

実際にビジネスモデルを構築する直前という場面を想定して、「顧客ニーズ」「自社事業の拡大に対する可能性」「事業発展の将来性」の3つを詳しく見ていきます。

顧客ニーズに合わせる

競合他社が多い業界ほど、どうしたら顧客が寄ってくれるか仕掛けがより一層重要です。

特に【品質に対しての価格 = コスパ】【かけた時間に対しての満足度 = タイパ】を意識している人が増えてきています。

会社によって、何を強みとしているかは様々ですが、他社との明確な差別化を図り、自社の強みを売り込むことができれば、理想的でしょう。

ビジネスのスケーラビリティを考える

スケーラビリティ、すなわち事業拡張の可能性を前もって探ります。
選択肢の幅を広げることで、ビジネスモデル通りの事業展開を進めた後に、更なる発展を目指すことができます。

今後の可能性を正しく考えることで、以下のメリットをもたらします。

利潤を多くできる

認知度の増加

市場規模の拡大

上記のメリットを追い求めすぎて、サービス内容の低下といった結果的に企業価値を下げてしまうことのないように、少しずつ進める必要があります。

将来性を見据える

事業を進めていくなかで、【この事業は継続していくことができるのか】や【今提供をしているサービスや商品をどう改良すればもっと満足してもらえるか】などの将来設計を立てることが必要です。


前段階として、顧客層や業界の分析どの顧客層にどんな価値をどのくらいの量で提供するのかといった情報や意見を先に挙げておくことで、設計を立てやすくなります。

自社にあったビジネスモデルをつくる具体的手順

冒頭の基礎知識解説から始まり、構築するメリットや要点を抑えました。

ここまでで得た情報から練った構想や未来像を基に、ビジネスモデルをつくりましょう。構築する際の段取りを振り返りも含めつつ、4つに分けて記します。

ステップ1:目的と目標の設定

自社事業をこうしたい、こうなりたいという独自のビジョンを基に、同業かつ似通ったビジネスモデルや成功事例を収集します。

成功している会社の情報やトレンドのビジネスモデルから、共通点や何故共通しているのかなど、業界においての定番や常識を探るとよいでしょう。

集めた情報から、自社のビジネスモデルはどのタイプに属するかを思索します。What Who How Why を踏まえ、どんなものを誰に渡すのかを明確にします。

ステップ2:顧客ニーズの分析

自社が顧客として取り入れたいターゲット層を、年代や性別などから絞ります。-絞ったターゲット層のニーズ(求める価格帯や品質など)を、業界のトレンドなどを参考に明確化しましょう。

競合他社に比べて自社の方が優れているポイントを挙げ、差別化を図ります。

ステップ3:収益化戦略の設計

サービスや商品を直接顧客に売るのか、サブスクリプションなどの定額制にするのかなど、収益化の方法を明確にします。収益化方法を定めたら、サービスや商品の質などを基に価格設定を行います。

顧客に対して店舗やWEBなど、どこで価値を提供するのか販売チャネルを選定します。

ステップ4:ビジネスプランの作成

ステップ1〜3までで練った構想を図面に起こして可視化します。この図面をビジネスモデルキャンバスと呼びます。ビジネスモデルキャンバスを参考にしつつ、事業の継続性や将来性などを考えます。

自社に合った、新しいビジネスモデルを構築しよう

本記事では事業を進めていくなかで必要になる、ビジネスモデルの構築方法や重要性を解説しました。
ビジネスモデルを作成して正しく活用すれば、事業への理解を深められ、課題に対応する術を身に付けることができます。

これから起業したり、新しい事業を始めていく際に自社のビジネスを成功に導いて軌道に乗せることはかなりのスキルが必要になります。

弊社では、事業の伸びに悩む企業様に適切なサポートを提供します。

プロセルトラクションがビジネスモデルの構築をお手伝いします

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