営業でのアプローチは、営業結果を出すために重要な要素です。新規顧客を獲得できる営業パーソンは、このアプローチが優れています。

「第一印象で9割が決まる」などと言われますが、これは実際に顔を合わせたときだけではありません。電話での第一声、メールの書き出し…など、最初の接点であるアプローチは様々です。このときに見込み客の心を掴み、関心を引き寄せ、「買いたい」と言わせるにはどうすればよいでしょうか。

新規開拓の営業と聞くと、キツそう、大変そうというイメージを持つ人も多いかもしれません。ただ、新規営業が得意なトップセールスは、特別な手法を用いているわけではなく、結果を出すためのコツを実践しています。

この記事では、営業の際のアプローチ方法を紹介し、結果につなげるための様々なコツを解説します。営業力を伸ばす上での参考にしてください。

営業アプローチはなぜ必要なのか

営業アプローチは、企業が継続的に売上を伸ばしていくために必要です。既存顧客から安定的に売上を得ることはもちろん大事ですが、それだけでは頭打ちになってしまいます。

そのため営業アプローチを通じて新規顧客を開拓することが重要です。このとき、手当たり次第に電話やメールをする人は少ないでしょう。自社の製品・サービスに関心のある人、買ってくれる可能性のある人に対し営業をかけるはずです。

一般的には、既存客からリピートの注文を得るよりも、まったく新規の顧客から初めての受注を得るほうが労力と時間がかかります。成約率も高くありません。

だからこそ、周到な戦略と準備、徹底した実行力が問われます。

営業アプローチの手法

新規開拓の営業のアプローチ手法には様々な方法があります。それぞれに有効な場面や、長所・短所があるのがポイントです。

どれが取り組みやすいかは個人差があるでしょう。その人が得意なやり方で結果の出る方法を探求するとともに、組織としては様々な手段を組合せてアプローチ結果を最大化を狙うのがよいでしょう。

また商材によっても、向き不向きがあり、コストの割に成果が得られないことも考えられます。それぞれの策に対してPDCAを回して、改善と検証を頻繁に行うことも忘れてはなりません。

紹介営業

最も成果の出やすいアプローチ方法は、紹介営業だと多くの営業パーソンが言うのではないでしょうか。

第三者からの紹介を受けて、新規顧客に営業をかけると最初から距離を縮めることができます。

既存客から紹介を受けるのはとくにおすすめ。人には「自分が買ったものを他者に勧めたい」心理があります。この心理を利用して、名前を使って「紹介を受けた」と言ってよい許可を取るのです。

紹介してくれたA社長の名前を借りて、B社長にアポを取る際に「A社長からご紹介を受けました」「B社長にご案内してないのは失礼だよとアドバイスをいただいて」などと両者の関係を使うのがポイント

A社長の影響で、検討もせずに断られることはなくなるでしょう。成約率も、紹介がない場合と比べて大きく上がるはずです。あらゆる企業の紹介を受けることは難しいものの、既存客と会う際に、常に新たな紹介をもらえないか狙っておきましょう。

テレアポ

アプローチの最も手っ取り早い方法は、テレアポです。準備期間が短く、また営業パーソン単独で実行できるのが良い点です。

多数の人員を使えば、1日で何千件数にもアプローチできます。電話の反応を集計すれば顧客の傾向が分かるのも長所でしょう。

ただしリモートワークが定着してそもそも顧客がオフィスにいない、営業電話を敬遠する企業が増える傾向にあるので、テレアポで得られる成果は低下していると指摘する人もいます。そのため営業パーソンの中にも、テレアポの効率の悪さ、精神的なキツさを感じる人は多いようです。

そうした難易度の高い環境でも、電話営業を通して着実にアポイントにつなげる営業代行会社という存在もあります。こうした外部のリソースに依頼するのも一つの手です。

飛び込み営業

アポイントを取らずに直接、客先を訪問するのが飛び込み営業です。メリットは、相手の顔を見て直接アプローチできることです。

ターゲットが一か所に固まっている場合、テレアポよりも効率的なケースもあります。顧客先が限定されない商材の場合、商店街、オフィスビルなど全てがアプローチ先になるためです。

一方、悪いイメージを持つ人も多いでしょう。嫌な顔をされる、門前払いされる、話も聞いてもらえないのがほとんどなので、営業パーソンの精神はかなり鍛えられます。仮に運よく話を聞いてもらえても、与えられる時間は極めて短く、電話以上に話す内容や順番を研ぎ済まなければなりません。トークスキルも自然と磨かれていきます。

受付窓口にブロックされてしまうのは当たり前、それを突破していかにキーパーソンと会えるかをゲーム感覚で楽しめるような人は飛び込み営業に向いています。

メール

メール配信システムを使って、手持ちのメールに一斉送信する方法は、ほとんどコストもかからず、手軽に実行できます。

メールの件名に工夫を凝らして、開封率の向上を目指す人も多いでしょう。ただし、大多数の企業が取り組んでいるため、世の中には膨大なアプローチメールがあふれています。

さらにメールソフトが発達し、迷惑メールとして振り分けられるケースが増えており、そもそも開封されないメールがほとんどです。1通ごとに相手にあわせた件名や書き出しにすると、返信率が向上することが知られていますが、その分、効率が下がります。MAツールなどを活用してカスタマイズしたメッセージを送るのは今後重要になるでしょう。

入手した新しいメールアドレスに定期的にアプローチを続け、よいレスポンスを期待します。

Webの問合せフォーム

見込み顧客のWebサイトにある問合せフォームへのアプローチも有効な手法です。

先方のキーパーソンや連絡先が分からなくても、会社としてはメッセージを届けられます

メールと同様に、埋没してしまう可能性はあります。しかし、問合せの内容はきちんと目が通されることが多く、思わぬ収穫につながるケースも。

字数制限を設定している会社も少なくありません。またほとんどの問合せフォームに対してはファイルを添付することはできません。そのため、限られた文字情報のみで、相手に無視させない重要なメッセージ性を伝えられるかが勝負となります。

展示会、セミナー

展示会やセミナーの良いところは、似ている課題をもった人、同じ属性の見込み客を一度に集客できることです。

加えて、顧客とコミュニケーションを取れるので、商談に発展しやすいという特徴もあり、効果の高いアプローチ方法と言えるでしょう。

ただし、他の手法に比べると準備期間、費用もかかるため、日常的に実施するのは難易度が高いでしょう。不特定多数の顧客にアプローチし、その結果、実際にどのくらいの成約、売上につながったかを検証することが重要です。

プロセルトラクションが営業アプローチをサポート

この記事で営業アプローチの概要を説明していますが、自社独自に新たな取り組みをスタートするのはかんたんではありません。そこでプロセルトラクションではあなたの会社にマッチした営業アプローチの手段のご提案から実践までサポートしています。

まずは話を聞いてみる

アプローチ時のおすすめな心構え

アプローチのゴールは、顧客に「もう少し話を聞いてもいいかな」と思わせるものです。それには、製品の魅力もさることながら営業パーソン自身が魅力的かどうかが大きく影響します。

営業パーソンの魅力とは、見た目の印象や、製品の知識、フィーリングなどの様々な要素があります。魅力をもってもらうために、すぐできることは営業パーソン自身のマインドを進化させることです。

結果が出るから自信がつくというのも真実ながら、自信がありそうな営業パーソンだから結果が出るというのも真理です。

自らが「楽しい、ワクワクする」という感覚

まず、営業パーソン自身がアプローチを楽しむことが重要です。仮に営業される側になった際に、「怒られるかな」とおどおどした人と、明るく張り切った人でどちらの話を聞きたいと思うでしょうか。後者のほうが圧倒的に、印象がよくなります。

明るく張り切るためのコツは様々ありますが、「お客様が知らないとてもすばらしい商品を紹介して差し上げるなんて楽しい!」「喜ぶ顔を想像したらワクワクする」と思うのも一つの手。このようなマインドセットをすると、自分でも驚くほど結果が変わるはずです。

過度に売上目標に追われない

過度に売上に捉われず、目の前の顧客からの信頼をつかむこと、自社の製品がどんなことで役に立てるかにこだわることも大切です。

もちろん営業のプロとして月間、年間の売上目標は必ず達成すべきです。ただ、数字に近視眼的になって契約だけを追求する思考、行動は可能性を狭めることも。

新しい取引先を作り、会社のフィールドを広げること。その先に売上が伸びていくという一段高い視座を持つと、よりワクワクできるのではないでしょうか。

自社の製品に愛情と自信をもつ

良い製品を売っているという自信が、言葉に説得力を持たせてくれます。

顧客にとって、課題を解決するには、自社製品導入が最良の方法だと思えたら、顧客に親身になって提案ができるはず。「それなら弊社の製品がピッタリかもしれません。ぜひ一度ご説明を…」という言葉が、アプローチの際には有効です。

ルーティンを繰り返していると、気に入ってくれる顧客を探す発想になりませんか。新規開拓では、費用対効果、どれだけのメリットが得られるかをイメージさせられるかが勝負となります。

製品ではなく、体験を売る

最終的に売るのは製品ですが、優れた営業パーソンは製品を通して「得られる体験」を売るなどと言われます。これこそ、顧客をワクワクさせ、買いたいという欲求を起こさせることです。

得られる体験をすでにした以前の顧客や自分自身の体験を語ることは、製品の特徴を語るよりも重要なことです。

営業アプローチがうまくいかないときの工夫

かけた費用やパワーに対して得られた効果を検証してみると、期待したほどの結果が出ていないこともよくあります。ただ、そこからが工夫の始まりです。

  • ターゲットを選び直す
  • アプローチ時のロジックを変える
  • 連絡手段を変える

という3つを試してみましょう。

ターゲットを選び直す

ターゲットをずらしてみましょう。アプローチを一通り行った結果、比較的反応のよかった層に共通項はないでしょうか。

反応の良い層が、こちらの想定と異なることは少なくありません。思い込みにとらわれて、薄いリストにアプローチし続けるのは効率が悪いので、集中的なアプローチ相手をずらすことをおすすめします。

アプローチ時のロジックを変える

こちらが想定した顧客メリットが相手に響かないときは、別角度からメリットを考えてみることです。

例えば、「人事管理システムの導入」を勧めたいケース。「従業員が月末に勤務時間を申告する手間が省けて現場の負担を減らせます」では、あまりよい反応が得られなかったとします。

そこで「人事部の管理運用が楽になります」と言い換えたら、人事部からの反応がよくなるかもしれません。人事管理システムは事業部門ではなく人事部が導入を決定するものなので、「人事部目線のロジックが正解だった」などは分かりやすい例でしょう。

中身は全く変わっていないのに、伝え方一つで反応が変わることがあります。顧客に響かないポイントは捨てて、伝え方を研究しましょう。

連絡手段を変える

一つの連絡方法にこだわらず他の方法を試してみるのも効果的です。アプローチを試みても、まるで連絡が取れないケースがあります。

終始一貫、無視されているなら仕方ありませんが、メールの反応がないなら電話をかけてみる。電話に出なら、メールを送ってみる。メールを送るタイミングや文調を変えて、急に返信が来ることがあります。見逃していた、気づかなかった、しばらく忙しかったなど、他愛もない理由のこともあります。

こだわり過ぎず、柔軟に連絡方法を変えると思わぬ反応が得られるかもしれません。

営業アプローチの上達で営業結果は上がる

営業アプローチが上達すると、近い将来に成約が見込める顧客を多くストックできます。それにより、営業成績が安定するため、さらにモチベーションが向上するという好循環に入っていきます。

正しい心構えで、効果的な方法を実践すればアプローチ結果は大きく向上するはずです。実践が何よりも大切です。よりよい結果が出るように自ら工夫し、組織全体の結果もアップするようにしてください。

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