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interview

<事例紹介:株式会社MedicalShift 代表取締役 宮井 崇行様>

理想のユニットエコノミクスをクリアするマーケティング手法の検証をプロセルトラクションに依頼した理由と成果

新規事業立ち上げ時に必要なプロセスのひとつとして理想のユニットエコノミクスを実現できる、マーケティングやセールスの体制・手法を構築することがあります。その検証には必要なセールスマーケリソースを投下してPDCAを回す必要がありますが、立ち上げ期の新規事業において、その検証体制を内製で用意するには、採用コストも教育のリードタイムも掛かり、かつ固定費化することで事業戦略や事業開発の機動力が欠けてしまうリスクもあります。

株式会社MedicalShiftは、歯科業界に根差した事業を展開し、ITを活用した人材マッチング事業「Dental Match」を順調に成長させてきました。そのアセットを生かして新規事業として歯科矯正クリニックのマッチングサービス「ハーウェル」をローンチしました。PMF検証に一定の道筋が見えたタイミングで、ユニットエコノミクスの実現性検証をプロセルトラクションにご依頼をいただきました。

ご依頼の背景・目的やその成果について株式会社MedicalShif代表取締役の宮井様に、プロセルトラクションの代表・長谷川裕樹が伺いました。

1.新規事業のPMFを図り、営業戦略構築を行い精度の高いセールスリソースを確保するためアウトソーシングを選択

長谷川:
お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。はじめに御社および事業のご紹介をお願いできますか。
宮井:
はい。株式会社MedicalShiftに私が共同創業という形でスタートした会社で、歯科業界をメインの事業領域としています。最初の事業が歯科衛生士と歯科医院の労働力マッチング支援を行う「Dental Match」の運営で、その後2つ目の事業として、適した矯正歯科を探すためのマッチングサイト「ハーウェル」を立ち上げました。利用したユーザーからサイトの満足度でNo.1の評価をいただくなど、おかげさまで順調に利用ユーザー数、また登録される歯科医院の数も伸びている状況です。
長谷川:
ご紹介ありがとうございます。最初に弊社にご依頼をいただいたのは、ハーウェルを立ち上げ後まもなくだったかと思います。どのような背景があったのでしょうか。
宮井:
はい。同じ歯科業界と言っても、Dental Matchは「労働者と歯科医院のマッチング」でハーウェルは「患者が歯科医院を選ぶ際のサポ―ト」ということでまるでターゲットが異なっていました。

近年、美容意識が高まっている背景から、矯正歯科への関心や需要が拡大しています。今後「矯正医院選び」はニーズが飛躍的に成長すると見込まれているため、さまざまなITツールやチャネルを活用して、No.1企業を目指しているところです。

実際にリリース直後から患者さん、ユーザー側はスムーズに獲得できており期待の大きさを実感していましたが、事業拡大には歯科医院つまりクライアント側の獲得も欠かせません。

しかし新規事業に投入できる自社のリソースだけでは、かなり時間がかかってしまうと予測できたので、リソース不足を解消するために、最初は営業代行の依頼を検討しました。

ただセールス量を担保するだけでは、セールスやマーケの手法を検証するという目的は果たせず、最適な戦略を構築したいというニーズは満たされないので、セールスリソースを提供してくれるだけでなく、まだ確立できていない営業手法の戦略について相談できる、かつ新規事業の営業立ち上げにあたって豊富なソリューションと実績があるパートナーを探し始めました。
長谷川:
たしかに新規事業の立ち上げフェーズでは、セールスリソースの外部提供も含めてパワーを投入するのも大切ですが、その手前の段階として、PM手法の構築や検証の正確性が欠かせません。御社の課題感としては、単なるセールスパーソンを確保するだけでなく、一緒にセールス手法を開発できる、また検証できる営業代行会社が必要だったわけですね。

2.新規事業に特化したセールス、マーケ支援の実績とスタートアップでも利用しやすい形態が依頼の決め手

長谷川:
その中で弊社を選んでいただいた理由をお聞かせいただけますでしょうか。
宮井:
やはり新規事業特有の難しさを解決するには、新規事業の営業やマーケ支援をどれだけ実行した経験があるかは判断材料の一つでした。長谷川さんのご説明を受けたときに、PMF検証支援実績やノウハウについてもプレゼンをいただいたこと、さらにセールスやマーケティングのソリューションについて、オンラインやオフラインを横断的に駆使して最適な方法をご提案いただけたことが決め手でした。さらに言えば、ご依頼からヒアリング、さまざまなセットアップを経て、稼働スタートまでが早いのも弊社のスピード感にマッチしていました。
長谷川:
御社に限らず、ベンチャーやスタートアップのクライアント様は「1日でも早く」「来週初めには即」ということをご期待としてよくいただくため、弊社も1週間またはそれ以内でスタートさせる体制づくりをしています。
宮井:
そうですね、弊社も実施後のアジャイルなPDCAも含めて頼もしさを感じていました。それにプロセルトラクションさんは最短1カ月での検証方法をご提案してくださいましたよね。ベンチャー特有の悩みかもしれませんが、1~2カ月後にはサービスそのものの形が変わることなどもあります。したがって「最低半年間」などと言われた事例もあるのですが、リスクが高く躊躇してしまいました。
長谷川:
具体的に弊社に期待いただいたこととしては、、御社での検証目的を踏まえて事業理解と顧客理解を通じ、適した検証プランやマーケティングとセールスソリューションの提案と実行。そしてマーケティングの結果を踏まえたチューニングといったところでしょうか。
宮井:
そうですね。他にも、依頼から実施までのスパンが最短で1週間とスピード感があること、1カ月単位で依頼できるので小リスクで検証がスタートできる点も助かりました。

3.最速でボトルネックを見抜き、営業手法そのものを見直した上で素早く最適化する総合力

長谷川:
弊社が最初に取り組んだのは、御社が用意していただいたターゲットリストに対するトークスクリプト作成、またチューニングでしたね。
宮井:
そうですね。しかし御社がアポイント取りを開始していただいてすぐに歯科医院の特性上、営業の電話が繋がりにくいという課題が浮かび上がりました。診療時間外も自動アナウンスに切り替わってしまっていました。時間帯や曜日を変えるなど柔軟な工夫をしていただきましたが、アポイント獲得前の段階でアプローチできないという壁にぶつかったかと思います。
長谷川:
たしかにその通りで、テレアポの手法そのものは非効率でマッチしないと言わざるを得ませんでした。しかし、希少性のあるサービスなので訴求ポイントが多く、実際に決裁者、担当者と話せれば、アポイントの獲得率が高いのも事実でしたね。

これなら集客ニーズのある歯科医院様なら間違いなくPMFするだろうと見越して、別のセールス手法を導入するのがよいだろうと素早く決断できたのです。
宮井:
御社のご提案で実行したDM送付は、弊社が想定していなかった手法でしたが、それ以上に驚いたのは予想以上に好反応のレスポンスがあったことですね。実は、レスのあった医院は「ほぼ受注できた」と言えるほどの高確率で成約につなげられたのです。
長谷川:
言わば前時代的な手法でしたが、予想以上の反響と受注に繋がりましたね。また、PMF検証がしっかりできたのも重要なことだったと思います。やはりターゲットや市場環境などによって、適しているマーケ手法、適さないものがあるので、それを見極められたことが成果に繋がったのだと思います。

4.マーケティング実績に基づいた大胆で柔軟な方針転換により成果に。さらなるマーケティングも新たに依頼。

長谷川:
結果的に想像以上の成果が出たと言っていただきましたが、弊社の取り組みに対するご評価もお聞きできますでしょうか。
宮井:
やはり、アジャイルかつドラスティックにマーケティング手法を転換したことが素晴らしかったと思っています。これまで弊社でも思ってもなかった新しいマーケ手法を見つけてくれました。

また非常に細かいことなのですが、御社は毎日タイムリーに課題共有をしていただいたので、弊社としての対策もタイムリーに打ててありがたかったです。スプレッドシートで顧客別の状況も報告してくれましたし、顧客から出たNOを切り返す方法など営業トークの改善についても毎日のように相談があったので、セールスそのものが徹底されていると感じました。
長谷川:
ご評価いただいて何よりです。今後に向けてご期待いただいている内容があれば、ぜひお聞かせください。
宮井:
今回のようにPMFしてマーケティングが軌道に乗ると、次のステップとしてマネタイズ検証が求められます。1件の送客にかかる獲得コストと、発生する売上金額が見えてくれば、いよいよ拡販のフェーズに入るわけです。

この際に自社でセールスパーソンを採用する方法もありますが、タイムリー性に欠けますし、教育コストの問題もあります。弊社のようにグロース後も、スピードを重視する企業では、いつも間髪入れずに、また必要なときだけ依頼できる御社は、これからもありがたい存在だと思っています。
長谷川:
そういった弊社の特長や強みを十分にご理解いただいてありがとうございます。今ちょうど新しい商品のマーケティングもご依頼いただいていますよね。ハーウェルで獲得したリードを使うなど、今の御社だから取れる手法は広がっています。ぜひ一緒にまた検証しながら、拡販させてください。
宮井:
営業組織の構築、強化という点ではこれからが弊社の本番だと思っていますので、ぜひお力添えください。
長谷川:
こちらこそよろしくお願いします。本日はありがとうございました。