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interview

<事例紹介:大和地所株式会社 代表取締役 岩井 裕樹様>

不動産一括査定サービスの利用と同時に、顧客一次対応代行サービス「プロアポ」をプロセルトラクションに依頼した理由

2022.06.28

不動産の一括査定サービスの利用は、ここ数年で急速に浸透してきました。特にコロナ禍を経て、オンラインによる集客が進んだ結果、不動産会社によっては一括査定サービスを経由した顧客は2~2.5倍まで増加したケースもあります。

一括査定サービスは、売却を検討している不動産の売却価格について、一度に複数の不動産会社から査定結果が得られるものです。依頼主は、査定結果を受けて価格や条件などを比較した上で、希望する不動産会社を選べます。査定サービス運営会社の調査によると利用ユーザー数は増えています。

利用ユーザー数の増加に伴い上質なリード獲得が実現する一方、絶対数が増えたことで一次対応の負担増を懸念する不動産会社も少なくありません。「貴重な人的リソースを追客に向けられない」「確度の高い顧客だけを抽出したい」といった課題も多いでしょう。

大和地所株式会社では、プロセルトラクションが新たにローンチした査定サイト一次対応代行サービスの「プロアポ」とともに、一括査定サービスの導入を決定しました。これまでは一括査定サービスの導入を検討しながらも、初期対応の人的リソース確保を課題として感じていた同社では「プロアポ」の存在が、査定サービス導入の後押しとなりました。

サービス導入の背景や実際の成果、さらには今後に向けた期待について代表の岩井様に、「プロアポ」のプロダクトマネージャー・兼謝名貴文がお話を伺いました。

1.一括査定サービスを活用して、新規顧客の獲得を推進するためには一次対応のリソース確保が重要だった

兼謝名:
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。はじめに御社および事業のご紹介をお願いできますか。
岩井:
当社、大和地所株式会社は千葉県市川市を拠点に不動産事業を展開しております。土地、戸建住宅、マンション、投資物件などの不動産仲介を行うほか、賃貸経営や土地活用、相続などに際した不動産コンサルティングなどを手がけております。顧客満足度調査では複数の部門で市内第1位の評価をいただくなど、おかげさまで地域のお客様にも高くご評価をいただいてきました。
兼謝名:
ありがとうございます。早速お聞きしたいのですが、不動産一括査定の導入と同時に弊社の「プロアポ」を申し込まれ、一次対応の代行業務をご依頼いただいたかと思います。もともと、御社にはどのようなお考えがあったのでしょうか。
岩井:
2年ほど前から、一括査定を利用したいという話は社内で持ち上がっていました。不動産売却を検討しているお客様1件の送客で成功報酬をお支払いするというスキームのご説明を受け、どの査定サービスを利用しようかと検討を進めましたのですが、どうしてもお客様に対応するパワーが確保できなかったのです。

一括査定を使って、売却を検討している方の集客を強化したい。ただ、一括査定を依頼したお客様から最終的に当社を選んでいただくためには、レスポンスのスピードや質が重要でしょう。「一応、当社も一括査定に対応しています」という消極的な姿勢では効果が薄いだろうと予測していました。自社独自でのスピーディな対応が不安要素でしたので、今回は一次対応を代行するというオファーをいただいたことが、一括査定サイトそのものの導入の決め手にもなりました。
兼謝名:
そうした背景をお聞きできると、このサービスを始めてよかったなと感じます。「プロアポ」を立ち上げたポリシーとして、ただアポイント獲得だけ目指すのではなく、最終的にお客様の受注や売上拡大に貢献したいと考えてきました。そこで「お客様から依頼が入ったからよかった」ではなく、お客様の売却意欲を高めて、不動産会社様に橋渡しをするのは本質的なお役に立てるのではないかという思いがありました。
岩井:
逆に申し上げれば、御社から一次対応代行のご提案がセットでなければ、弊社はまだ導入に踏み切れなかった可能性が高いと思います。集客を強化したいというニーズは社内で高まっていたので、よいタイミングでご提案をいただいたと感じています。

2.一括査定サービスの内容に精通しているために、質の高い一次対応ができると期待して依頼を決定

兼謝名:
弊社の他にも、対応の代行サービスを手がけている会社はお調べになったかと思います。その中で、弊社をお選びいただいた理由はどのようなものでしたか。
岩井:
はい。プロセルトラクションさんが、査定サービスそのものの販売も行っていたため、一次対応代行についても連携がスムーズだろうと考えたからです。当然、一括査定サービスの中身についても御社には知見がおありですよね。実際にお話しをお聞きしても、どのような査定書が発行されるのかなども全てご理解された上で提案してくださるので安心感がありました。ご依頼の後も、業務の進め方や金額面などのご説明で齟齬を感じたことはありませんでした。
兼謝名:
嬉しいお言葉ですね。ちなみに「AI査定」機能は利用されていますか。
岩井:
そうですね。一括査定以外のお客様からも売却希望の査定依頼をいただくので、簡単な入力ですぐ金額をお答えできるため便利です。売却事例なども提示しやすく、対応のスピードが上がるのは間違いありません。最近はAI査定を使っている同業者も増えているので、査定結果に大きく差は出ないはずですね。したがって、スピードや対応の質で差がつくのではと思います。御社にご依頼するにあたっても、一次対応の質に期待、注目していました。
兼謝名:
ご期待いただいて、ありがとうございます。一括査定を申し込まれたお客様の中には、当然さまざまな関心の差があります。私どもとしては、ただ「査定結果はこの金額です」とお伝えするのではなく、いかに御社の業務に結び付けられるかというのを意識していました。

例えば、売却を希望されているお客様がいるならば、住み替えはどうされるのかをお聞きするなどを徹底して実行しました。その結果、近辺で新たなお住まいを探すというニーズが顕在化すれば、御社にさまざまなビジネスの可能性をご提供できることになります。ただアポイントを獲得するのではなく、ナーチャリングしてお届けすることにこだわっていました。
岩井:
そうした御社のこだわりは、私どもにも伝わっていました。一定の確率で発生する「課金除外」(※通常、不動産会社には一括査定サイトを利用したユーザー数に応じて費用が発生するが「他人によるなりすまし」「登録情報に虚偽があった」などのケースでは課金対象から外される制度)についても、御社が誠実に対応していただいているのがレポートから分かります。正直なところ一括査定サイトの事業者に対して、課金除外の申請を自社で行うのはあまりにも手間がかかるため、ここを信頼できるパートナーにお任せできたのは大きかったです。
兼謝名:
そうですね。弊社がしっかり追客すれば、御社が追跡すべき優先度の高いお客様だけに接客のパワーを集中していただけます。逆に比較的関心が低い、もしくは課金を除外すべき案件にフィルタがかけられるのは、明確なメリットとしてお感じいただけるポイントではないかと思っています。

3.導入初月から、目に見える送客効果があり、費用対効果を実感。背景にある顧客ニーズを顕在化させる工夫

兼謝名:
私どもがおつなぎしたお客様の質や、結果そのものに対するご評価はいかがでしょうか。
岩井:
目に見える成果を早速出していただけたと思っています。まずは思った以上に数多くの反響があったこと。しかも十分な確度のあるお客様も多く、訪問した結果、専任の媒介契約をいただいた物件もあります。アポイントの中身は確かなので、ここから先はこちらのセールスにかかっているという認識ですね。反響数についても、しっかり一次対応し、課金除外も真摯に申請してくださっているので信頼感、安心感につながっています。
兼謝名:
仰る通りで、質云々ではなく、アポイントを取るよりも、電話がつながってアプローチすることだけを目的としたら「送客数は多い割にアポイントの質が低い」ということになりかねません。これは不動産会社様も、お客様もハッピーにならない方法です。
岩井:
確かに、もしもいただいた連絡が、すべて課金対象ならばなかには様々な質のアポイントが混ざってしまうため「こちらで一次対応して中身を確認したい」という気持ちになったかもしれません。しかしそれではお願いした意味がなくなってしまいますから、本末転倒ですね。
兼謝名:
私どもは、「お客様は3パターンに分けられる」ことを念頭に置いて接触してきました。
パターン1:本気で売りたい人
パターン2:査定の結果だけ聞きたいという人
パターン3:査定の結果だけ聞きたいというものの、本音では売るニーズがある人

この2と3の見分け方が特にポイントとなります。パターン3の特徴は、本当は売りたいと思っているけれど、足元を見られて安く売ることを恐れていることです。この「本当は売りたい」というニーズを顕在化できるかに、電話のスキルが問われると考えて取り組んできました。

また不動産会社様としては、即日契約に結び付くような案件を必要とされているかと思いますが、一括査定を利用されるお客様の中にはナーチャリングが必要なケースも多いと感じています。数カ月をかけて「この不動産会社さんにお願いしよう」と決断していただくためのきっかけ作りをし、追客をしていただければさらにご成果は上がるものと考えております。

もちろん、ある程度の選別や優先順位付けは、弊社が代わりにしっかりと行うというのが「プロアポ」の魅力ではないかと思います。
岩井:
心強いですね。現在、反響の上限10件まで月額3万円というプランでお願いしていますが、すでに初月から非常にスムーズかつ弊社としては便利という印象です。本当に助かっています。仮の話しですが、一次対応のために専任担当を雇ったら人件費だけで30万円前後はかかるでしょう。しかも代行をお願いした方がスキルも高いとなれば、コスパは大きく違いますね。

4.さらにサービスの質を磨くために、互いの情報伝達をスムーズにして、伴走してもらいたい。

兼謝名:
まだ「プロアポ」は始まってから間もないサービスです。今後への期待や改善要望があれば、お聞かせください。
岩井:
私どもの手間がかからない点は非常に理想的なのですが、その反面、もっと日々の進捗を知りたいと感じる場面があります。お客様から反響があった事実は弊社にも届くので、コールセンターが休みの日でこちらが稼働していると、ついすぐに電話をかけたくなるときはあります。すぐに「何時に架電してつながった」「つながらなかったのでメールを送った」などの情報をもっとタイムリーに報告いただけると安心できると思いますね。
兼謝名:
なるほど、両社間の情報伝達に関するご要望ですね。それは報告、連携の仕組みを変えれば、タイムリーな状況把握をしていただけると思います。また仮に、御社のお知り合いのお客様から問い合わせがあった場合など、御社から先にアプローチしたい事例があれば先にコンタクトしていただく、かつ弊社にも連絡をいただければ問題はないでしょう。「つながらなかったので、こちらでのコンタクトを再開する場合にはまた都度連絡をいただければ、対応可能です。
岩井:
そのようにきめ細かく、柔軟に対応いただけるとこちらとしてはますます使い勝手が良いというか、安心して利用できますね。
兼謝名:
はい、今後もさらに様々な場面でお役に立てれば幸いです。たとえば、一次代行にとどまらず、最終的な契約の商談まで任せていただけないか、また御社の顧客のカスタマーサクセスのような動きや内覧の代行業務など、サポートの幅を広げる構想がございます。繰り返しになりますが、弊社のゴールは顧客と通話することでも、アポイントを取ることでもなく御社が契約を獲得されるところです。ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。
岩井:
こちらこそ、今後も弊社の顧客獲得に向けていろいろお力添えいただければ幸いです。伴走していただけるパートナーとして、頼りにしています。
兼謝名:
本日はありがとうございました。