初めて面接を受ける場合、どのような質問をされるのか、どのように答えるべきか不安を感じているかもしれません。しかし、事前に質問内容を把握して準備をしておけば、自信を持って面接に臨めます。
この記事では、採用担当者が注目するポイントやよくある質問とその回答例を詳しく解説します。最後までお読みいただければ、理想の企業への就職を実現するためのヒントを見つけられるでしょう。
障がい者採用で採用担当者が見ているポイント
障がい者採用の面接ではスキルや経験だけでなく、企業で長く安定して働けるか、企業文化に馴染めるかといった点が重視されます。
採用担当者は個性や能力を正しく理解し、適切な配慮を提供し、最大限に能力を発揮できる環境を整えたいと考えています。そのため、面接では障がいについて具体的に伝え、必要な配慮を明確にしましょう。
身だしなみ・立ち振る舞い・言葉遣いが整っているか
正しい敬語が使えるか、清潔感のある服装をしているか、そして面接中の立ち振る舞いが整っているかといった点から、社会人としての基本が身についているかをチェックされています。
たとえば、面接官の目を見て話す、質問にはっきりと答える、椅子の座り方や姿勢に気を配るなど、基本的なマナーを守り、採用担当者によい印象を与えましょう。
自社で長く働けそうか
企業は、採用した方に長く働いてもらいたいと考えています。面接ではあなたの就労意欲がどのくらいあるか、そして職場のスタッフと協力して仕事をできるかといった点が評価されます。
たとえば、困難な状況に直面したときにどのように乗り越えるか、チームで働くことについてどのように考えているかなどを具体的に話しましょう。
社風に合っているか
企業にはそれぞれ独自の社風があり、自社に合うのかどうかを見ています。たとえば、チームワークを重視する企業であれば協調性があることをアピールしましょう。自律性を重んじる企業に応募するときは、主体的な行動を伝えることがポイントです。
企業の特色を理解したうえで、個性をアピールしてください。応募先企業のウェブサイトや採用情報を事前に確認し、社風を把握しておくことをおすすめします。
どのような仕事に適性があるか
採用担当者は、あなたがどのような仕事に得意なことや不得意なことがあるのかを理解し、適正のある業務を任せたいと考えています。
面接では、これまでの経験から得られた得意な仕事や苦手な仕事について具体的に伝えましょう。たとえば、細かい作業が得意なことや、人とのコミュニケーションが苦手なことなどです。
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障がい者手帳で就労するメリットは?働き方の選択肢と仕事の見つけ方
障がい者採用の面接でよくある質問と回答例10選
障がい者採用の面接では個性や能力を深く理解するために、いくつかの質問がされます。事前に質問の回答を準備しておき、自信を持って面接に臨みましょう。
自己紹介・自己PRをお願いいたします
自己紹介や自己PRは、第一印象を決定づける大切な機会です。強みやこれまでの経験、そして入社後にどのように貢献したいかを簡潔に伝えてください。
【例文】
〇〇と申します。私は前職で、事務職として勤務しておりました。データ入力の正確性と迅速さに自信があります。過去には、顧客データの入力業務でミスを削減し、業務効率を10%向上させました。貴社では、細やかな作業を求められる部署があると伺いました。私の強みを活かし、貴社の業務に貢献したいと考えております。本日はよろしくお願いいたします。
志望動機を教えてください
志望動機では、応募先企業で働きたい理由と、貢献ができる内容を伝える役割があります。企業の事業内容や社風を理解した上で、スキルや経験がどのように活かせるのかを具体的に伝えましょう。
【例文】
貴社の「IT技術を通じて社会貢献をする」という企業理念に深く共感いたしました。私は前職で、Webサイトのアクセシビリティ改善プロジェクトに携わっておりました。多くの人が情報にアクセスできる環境を整えることに、やりがいを感じています。貴社が開発されているWebサービスは、多くの障がいのある方の生活を豊かにしていると伺いました。Web制作の経験と知識を活かし、貴社のサービス向上に貢献したいと考えております。
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自身の障がいを教えてください
障がいの具体的な内容とできること・できないことを正確に伝えてください。適切な配慮をするために、状況を正しく理解する目的があります。
【例文】
私の障がいは肢体不自由です。立ち仕事や重いものを運ぶ作業は難しいですが、デスクワークであれば問題なく業務をこなせます。移動の際には杖を使用しますが、社内での移動は可能です。必要に応じてバリアフリーの環境や、座って作業ができる環境を整えていただけると助かります。
最近の体調はどうですか
ご自身の現在の体調が良好であることを伝えることが大切です。もし体調に不安がある場合は現在の状況と、どのように対処しているかを具体的に伝えましょう。
【例文】
最近は体調も安定しており、業務に支障が出ることはありません。体調管理のために、毎朝の軽い運動と規則正しい生活を心がけています。もし体調に変化があった際には、すぐに上司や同僚に相談できるように体調管理表をつけています。
薬を服用する頻度や副作用を教えてください
薬を服用している場合は使用する頻度と副作用、そして服用するタイミングなどを答えましょう。企業は健康状態を把握し、安心して働ける環境を提供したいと考えているためです。
【例文】
持病のため、毎日朝と夕方に薬を服用しています。特に大きな副作用はありませんが、まれに眠気を感じることがあります。もし業務中に眠気を感じた際は、休憩を取らせていただきたいです。また服用時間については、業務に支障が出ないように休憩時間を活用して対応いたします。
勤務中の体調不良はどのように対処法されていますか
体調不良になりやすいタイミングや、対処法を伝えることが重要です。必要なサポートを伝えておけば、採用する企業も安心して対応できます。
【例文】
私は疲労が蓄積すると頭痛が起こりやすくなるため、定期的に休憩を取るように心がけています。もし勤務中に体調が悪くなった場合はまず上司に報告し、状況に応じて休憩室で休ませていただくか、早退を検討します。緊急時には、市販薬を服用することも可能です。
これまでの経歴を教えてください
卒業した学校名を答えたうえで、前職がある場合は前職の仕事内容を伝えましょう。会社員の経験が長い方は、母校を伝えなくても問題ありません。
【例文】
△△高等学校を卒業後、事務職として〇〇株式会社に2年間勤務しておりました。主な業務はデータ入力や書類作成、電話対応などです。特に、顧客データ入力では、迅速かつ正確な作業を心がけ、入力ミスをゼロに抑えました。正確な事務処理能力を発揮し、貴社に貢献したいと考えています。
前職の退職理由を教えてください
たとえネガティブな退職理由であっても、ポジティブにまとめることが大切です。前向きな姿勢をアピールし、応募企業でどのように活躍したいかを伝えましょう。
【例文】
前職では、営業事務としてお客様との電話応対やデータ入力に携わってまいりました。やりがいを感じている一方で、より専門的なスキルを身につけ、お客様と直接関わる機会の多い仕事に挑戦したいと考えております。貴社の営業職は、お客様との信頼関係を築きながら課題解決をサポートできる点に魅力を感じ、応募いたしました。
得意な仕事や苦手な仕事はありますか
採用担当者が自社の仕事の振り分け方を検討するために尋ねます。得意な仕事の内容とエピソードを合わせて答えると、あなたの強みを具体的にアピールできます。また、苦手な仕事についても正直に伝えつつ、どのように克服しようとしているかを述べましょう。
【例文】
私は、細かい作業や論理的に物事を組み立てる仕事が得意です。前職では、経費精算の業務を担当し、複数の部門の複雑な経費を正確に処理していました。特に、不明な点があれば自ら調べて解決策を見つけることに喜びを感じます。
一方で突発的なタスクが多く、臨機応変な対応が求められる仕事は少し苦手意識があります。しかし、日頃から優先順位をつけ、計画的に業務を進め、苦手なことにも対応できるよう努めています。
残業は可能ですか
残業が可能かどうかを正直に伝えることが大切です。もし残業が難しい場合は丁寧でやわらかい表現を心がけ、代替案を提示しましょう。
【例文】
現在の体調を考慮すると、残業は難しいと考えております。しかし、定時内で最大限のパフォーマンスを発揮できるように効率的な業務遂行を心がけます。
もし急な業務が発生した場合は翌日に持ち越すか、ほかの社員の方に協力をお願いするなど、柔軟に対応できるよう努めます。
障がい者採用の面接の逆質問
逆質問は、あなたが企業への関心度や意欲を示すための大切な機会です。単に疑問点を尋ねるだけでなく、入社後の活躍をイメージさせるような質問をすることで、採用担当者に良い印象を与えられます。
活躍している人材はどのような人か
企業が求める人材像を理解し、あなたがその人材像に合致していることをアピールするヒントを得るために役立ちます。
【質問例】
貴社で活躍されている方は、どのような共通点をお持ちでしょうか。もしよろしければ、具体的なエピソードを交えて教えていただけますでしょうか。
入社までに勉強した方がいいこと
入社までに勉強すべきことを質問すれば、学習意欲や入社後すぐに貢献したいという意欲を伝えられます。
【質問例】
入社までに業務で役立つ知識やスキルで、特に勉強しておくとよいものはございますか。もし具体的な書籍や学習方法があれば、教えていただけますと幸いです。
まとめ
面接の質問に対して事前に準備をしておけば自信につながり、理想の企業への就職を後押しします。面接は企業と応募者がお互いを理解し、よりよい関係を築くための大切な対話の場です。
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