障がい者枠の志望動機の書き方とは?職種・経験別の例文まで

2025.05.23
障がい者枠の志望動機の書き方とは?職種・経験別の例文まで

障がい者枠の志望動機を書くときに、何に注意すればいいのかわからない方もいるでしょう。また合理的配慮の書き方によって、マイナス評価にならないか不安な方もいるかもしれません。

この記事では、応募前の準備から効果的な志望動機の作成方法、職種別の例文を解説します。適切な志望動機で強みを最大限にアピールし、希望する企業への就職を叶えましょう。

障がい者枠で応募する前に準備すること

障がい者枠での就職活動を始める前に、以下のように準備しておきたいことがあります。

  • ● 自己分析
  • ● 業界研究
  • ● 応募先企業のリサーチ

 

準備しておけば企業理解を深め、志望動機をより明確かつ説得力を高められるでしょう。

自己分析

自分の得意なことや苦手なこと、今までの経験から得た強みなどを振り返りましょう。

これまでの人生で楽しかったこと、乗り越えられた経験などを書き出します。細かい作業を根気強く続けるのが得意なら「集中力」や「正確性」が強みになります。自分の性格や能力を把握すれば、仕事や職場の適性を判断できるでしょう。

業界研究

自分が働きたい業界について調べると将来性や安定性などを把握し、自分にとって働きやすい環境かどうかを判断できます。

たとえば、IT業界のトレンドは生成AIの成長や人手不足です。特徴や働き方などを調べると、自分に合った業界を見つけられる可能性が高まります。

また、業界全体の動きを理解することで、面接時にその会社への興味の深さをアピールできます。業界のニュースや本を読み、知識を付けましょう。

応募先企業のリサーチ

応募したい企業が決まったら、その企業のホームページで以下の内容を確認してください。

  • ● 事業内容
  • ● 力を入れているサービス・商品
  • ● 企業の理念・社風

 

企業のニュースリリースやSNSなどもチェックすると、より詳しい情報が得られます。企業が求めている人材像や社会貢献の内容を知ることで、自分の経験やスキルがどのように貢献できるかを考えられます。

障がい者枠の志望動機の書き方のポイント

相手に「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるように、志望動機のポイントを見ていきましょう。

  • ● これまでの経歴・実績を具体的に書く
  • ● 企業を選んだ理由をできることを踏まえて記入する
  • ● 障がいによる特性をわかりやすく書く

 

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

これまでの経歴・実績を具体的に書く

志望動機を書く際に、今までの経歴や実績を具体的に示すことが非常に大切です。「〇〇の業務で、資料を作る時間を2割短縮できました」のように、分かりやすく伝えましょう。

具体的であるほど採用担当者はあなたが会社に入った後に活躍するイメージを持ちやすくなります。

企業を選んだ理由をできることを踏まえて記入する

志望動機ではなぜその会社を選んだのか、そして自分がどのような貢献ができるのかを明確にすることが必要です。

会社の事業内容や考え方、将来性などに魅力を感じたことを具体的に述べましょう。「貴社の〇〇事業に共感し、私も貢献したいと考えています」といった理由を記入します。

そのうえでスキルや経験が、応募先でどのように役立つのかを説明します。データ分析のスキルがあれば「貴社のデータ分析業務において、売上向上に貢献できると考えております」のように伝えましょう。

障がいによる特性をわかりやすく書く

自身の障がいによる特性をわかりやすく伝えると、採用担当者が障がいについて正しく理解し、入社後の配慮やサポート内容を考えられます。

「聴覚に障がいがあるため、筆談やチャットでのコミュニケーションをお願いしたいです」や「集中力を保つために、定期的に休憩を取れるような配慮をいただけると幸いです」のように、具体的な配慮内容を伝えてください。

【志望職種・経験別】障がい者枠の志望動機の例文

ここからは、具体的な職種と経験別に障がい者枠の志望動機の例文を紹介します。ご自身の状況に合わせて参考にしてみてください。

事務

事務職は多くの会社で募集され、障がいを持つ人にとって働きやすい職種と言えます。経験者と未経験者の例文を見ていきましょう。

経験者

私はこれまで5年間、〇〇株式会社で営業事務として働いてきました。顧客のデータ入力や請求書の作成などをしてまいりました。

特にデータ入力はミスなく、速くできるように心がけています。毎月の初めには必ずデータのチェックを行い、入力ミスを減らしました。貴社の事務職で、今までの経験とスキルを活かし、みなさんと協力してスムーズに仕事を進めたいと考えております。

視覚に障がいがあるため、パソコンの画面を大きく表示する機能を利用していますが、仕事をする上で困ることはありません。貴社で正確で素早い事務処理を通して、会社を支える一人として精一杯頑張ります。

未経験者

私はこれまでお客様と接する仕事をしてきましたが、パソコンを使って集中して仕事に取り組むことに興味を持ち、事務職で働きたいと思っています。

スキルを上げるため、ExcelやWordの資格を取得し、基本的な操作はできるようになりました。貴社の事務職では、積極的に仕事を学び、正確で丁寧に仕事を進めることで、会社の活動をサポートしたいと考えております。

聴覚に障がいがあるため、電話対応は難しいですが、筆談やメールでのやり取りは問題なく行えます。貴社の一員として責任感を持ち、一つひとつの仕事に真剣に取り組んでまいります。

軽作業

軽作業は体への負担が少ない作業が多く、集中して取り組める仕事が多いと言えます。経験者と未経験者ごとの志望動機の例文を紹介します。

経験者

私は〇〇工場で3年間、商品の検品や梱包の仕事をしてまいりました。製品の品質管理のために小さな傷や汚れも見逃さないよう、集中して作業を行っています。その結果、検品のミスを3%減らし、製品の出荷遅れの減少に貢献できました。

貴社の軽作業職でこれまでの経験を活かし、正確で素早い作業を通じて、製品量の増加に貢献したいと考えております。

ADHDの特性があり、複数の指示を一度に受けることは苦手ですが、一つの作業に集中することで高い成果を出せます。貴社の製品がお客様に届くまでの大切な工程を、責任感を持って担当いたします。

未経験者

私は手先が器用なことや集中力を活かせる軽作業に魅力を感じ、貴社で働きたいと思いました。日頃からプラモデル作りの趣味を通じて、細かい作業を根気強く続けることに慣れております。

貴社の軽作業職では与えられた仕事に真剣に取り組み、一つひとつの作業を丁寧に進めることによって、品質維持に貢献したいと考えております。

神経系の発作が出たときは休憩が必要になりますが、その際はすぐに報告いたします。貴社の一員として、安全に気をつけながら、着実に仕事に取り組んでまいります。

エンジニア

エンジニアは専門的なスキルが必要な職種ですが、自宅でできる副業としても人気があり、人材不足から高い収入を目指せます。経験別にエンジニアの例文を見ていきましょう。

経験者

私は5年間、〇〇の会社でWebアプリケーションの開発に携わってまいりました。特にJavaを使った機能の開発では、利用者からの意見をすぐに取り入れ、動作改善に貢献いたしました。

貴社のエンジニア職で、これまでの開発経験と技術力を活かし、既存のシステムの改善に貢献したいと考えております。

聴覚に障がいがあるため、会議では筆談やチャットでの参加を希望しますが、プログラムを書くことに支障をきたしません。貴社の技術力と新しいサービスに魅力を感じており、自身のスキルを磨き、貴社の発展に貢献したいと考えております。

未経験者

私は独学でプログラミングの勉強を進め、HTMLを使ったWebサイト作りの基礎を身につけました。〇〇のWebサイトを自分で作り、実際に動くものを公開しています。

貴社のエンジニア職では、IT技術への強い興味と学ぶ意欲を持って仕事に臨み、Webサービスの開発に貢献したいと考えております。

ASDの特性があり、大勢でのコミュニケーションは苦手ですが、一人で集中して作業に取り組むことは得意です。貴社の一員として新技術を積極的に学び、一つでも多くのプログラムを書き、貴社のサービス改善に努めてまいります。

障がい者枠の採用に関するよくある質問

障がい者枠での就職活動では、特有の疑問や不安を感じることがあるかもしれません。ここからは、よくある質問に回答します。

障がい者枠採用の面接で聞かれる質問とは?

障がい者枠採用の面接では、一般的な質問に加えて障がいに関する質問も聞かれるケースがあります。主に聞かれる質問としては、自己紹介や最近の体調などです。

自己紹介では今までの経験やスキル、そして応募職種への熱意を端的に伝えます。

最近の体調については現在よい状態であること、そして体調管理のための工夫を伝えてください。「定期的な通院や薬を飲むこと、十分な睡眠を心がけて体調を維持しております」のように説明します。

障がい者枠の面接の服装は?

障がい者枠の面接においても、服装はスーツを着用するのが基本的なマナーと言えます。靴はきれいに磨いておき、清潔な状態を保つことが大切です。

服装だけでなく、髪型や爪なども清潔感があるかを確認し、面接にふさわしい身だしなみを心がけましょう。

志望動機でダメな内容は?

自分の希望だけを主張している内容や、会社を辞めることを前提に話している内容は控えましょう。

「残業が少ない」「家から近い」といった、自分にとってのメリットばかりを強調すると、採用担当者からはマイナスに見えてしまいます。会社にとって採用するとどんなメリットがあるのか、自分がどのように貢献できるのかを伝えることが重要です。

「将来、独立を考えており、スキルを身につけたい」といった内容は、会社にとって「長く働いてくれないかもしれない」という不安を与えてしまいます。会社は、長く活躍してくれる人を求めているため、会社に入った後に長期的に貢献したいと伝えましょう。

まとめ

自己分析や業界研究を行い、自分の強みや会社への貢献意欲、そして障がいに対する必要な配慮を伝えることが障がい者枠での採用される成功の鍵となります。

今回ご紹介したポイントや職種別の例文を参考に、あなたらしい志望動機を作成して、希望職種の面接に挑みましょう。障がい者枠での転職・就職活動でサポートが必要な場合は、プロセルチャレンジをご利用ください。

就労継続支援A型事業所「プロセルワークス」を運営しており、経験豊富なコンサルタントがサポートします。

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