発達障がいでもクビにはならない!働き続けるための方法やコツを解説

2025.06.25
発達障がいでもクビにはならない!働き続けるための方法やコツを解説

発達障がいを抱える方の中には、今の職場を「もしかしたらクビになるのではないか」と不安を感じている人もいるかもしれません。

しかし、不安を感じる必要はありません。発達障がいをお持ちの方でも、会社のルールを守って真面目に仕事をすればクビにならないケースがほとんどです。

この記事では、会社をクビになるケースと発達障がいを持つ方がクビにならないための対策を解説します。会社で働き続け、生活を維持し続けるためにも最後までお読みください。

会社をクビになるケースとは

会社が従業員を解雇するには、正当な理由が必要です。ここからは、一般的に会社をクビになる可能性のあるケースについて説明します。

遅刻や欠勤が多い

会社をクビになる原因の一つとして、遅刻や欠勤の多さが挙げられます。会社は、従業員が決められた時間にきちんと出勤し、業務を行うことで成り立っています。そのため、理由なく遅刻を繰り返したり、頻繁に会社を休んだりすると、仕事に支障が出るでしょう。

連絡なしに会社に来ない、あるいは体調不良であっても事前に連絡がなければ、会社はあなたの責任感や協調性を疑います。

もし体調を崩しやすい特性がある場合、早めに会社に相談し、病院を受診するなどの対策を取ってください。会社に対して、可能な範囲で改善に努める姿勢を見せることが重要です。

勤務態度が悪い

勤務態度が悪いことも、会社をクビになる理由の一つです。勤務態度とは仕事に取り組む姿勢や、職場での周りの人との関わり方を指します。

具体的には、上司や同僚からの指示を無視する、言われたことをなかなかやろうとしない、あるいは職場で不適切な言動を繰り返すことです。仕事の能力があったとしても、周囲と協力して業務を進められない場合、会社全体の生産性が下がってしまう可能性があります。

また職場は多くの人が協力して働く場所です。無責任な態度や周りの人に不快な思いをさせる言動は、職場の雰囲気を悪くし、トラブルの原因にもなりかねません。改善が見られない場合、会社は解雇を検討せざるを得なくなります。

他の従業員とトラブルを起こす

そして、他の従業員とトラブルを起こすことも、会社をクビになる原因になります。職場は、さまざまな性格や考え方を持つ人が集まって働く場所です。お互いに協力し合い、円滑な人間関係を築くことが、仕事を進める上で非常に重要です。

職場で相手の話を聞かずに自分の意見ばかり主張する、感情的に怒鳴るなどの行動は、周りの従業員との間に摩擦を生み、仕事に支障をきたす可能性があります。

人間関係のトラブルが続き、改善が見られない場合、会社は職場の秩序を保つために問題のある従業員の解雇を検討するケースが珍しくありません。

会社が発達障がいを理由にして退職を勧めるのは違法

会社が従業員を解雇する際には、法律で定められたルールがあります。発達障がいを理由にして退職を勧めることは、原則として違法とされています。

障がいを持つ人が、障がいを理由に不当な扱いを受けないように保護するための法律(障害者雇用促進法や障害者差別解消法など)が定められているためです。

もし会社が正当な理由なく、障がいを理由に解雇した場合は、不当解雇として法律で争える可能性があります。

発達障がいでクビにならない方法

発達障がいを持つ方が、職場で安定して働き続けるためには、いくつかの大切なポイントがあります。それぞれのポイントを確認し、会社で働き続けられるのかという不安を解消しましょう。

ルールを守って働く

会社で長く働くためには、会社のルールを守って働くことが何よりも大切です。障がいがあるかどうかに関わらず、社会人として当然のことです。決められた出勤時間を守る、提出物を期日までに提出する、職場の安全規則を守るなどが挙げられます。

ルールを守らなければ、会社から働く意欲がないのかと疑われる可能性があります。会社で決められた就業規則を確認し、障がいの特性によってできない部分以外のルールを守って働きましょう。

配慮事項をすり合わせる

自分の発達障がいの特性を会社に伝えている場合、必要な配慮事項を事前にすり合わせると、円滑に働けるでしょう。配慮事項とは、あなたの障がいの特性に合わせて、会社に協力してほしいことや、仕事の進め方で工夫してほしいことです。

会社は障がいを持つ従業員に対して、仕事を進める上で必要な「合理的配慮」を行う義務があります。合理的配慮とは障がいの特性に合わせて、業務内容の調整や働き方の工夫など、無理のない範囲でサポートすることです。

音に敏感で集中しにくい場合は静かな場所での作業を希望することや、複数の指示を同時に聞くのが苦手な場合は業務指示をメモを残してほしいことなどを伝えましょう。会社側もどのような配慮が必要か分かれば、具体的な対策を考えやすくなります。

職場で適切なコミュニケーションを取る

職場で適切なコミュニケーションを取ることも、クビにならないための大切な要素です。発達障がいを持つ方の中には、コミュニケーションに苦手意識がある人もいます。しかし、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)をしっかりと行うことは、仕事を進める上で欠かせません。

仕事で困ったことがあれば、一人で抱え込まずに上司や同僚に早めに相談し、仕事の進捗状況を定期的に報告することが大切です。また意見を伝える際には感情的にならずに話し、意識的にコミュニケーションを図りましょう。

もし口頭でのコミュニケーションが苦手であれば、メールやチャットなど、文字で伝える方法を活用することも一つの手です。周りの人と協力して良好な人間関係を築けば、職場での孤立を防ぎ、働きやすい環境を維持できます。

発達障がいの方が仕事が辛いときは転職も視野に入れよう

履歴書とペンもし今の職場で働くことが辛いと感じるなら、転職を視野に入れることも考えてみましょう。無理をして働き続けると、心身の健康を損ねてしまう可能性もあります。

会社都合よりも自己都合による退職が多い

障がいを持つ方の転職では「会社からクビにされる」という会社都合の退職よりも「自分から辞める」という自己都合による退職が多い傾向にあります。

2020年3月、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センターの調査によると、会社都合退職は9.4%に対して、自己都合退職は75.0%です。

障がいや病気の進行による退職だけでなく、今の職場での人間関係や労働条件が合わないと感じ、自ら新しい働き方を探すケースが少なくありません。自己都合での退職であれば、自分の意思でより良い職場環境を求めた結果として説明できます。

参考:障害のある求職者の実態等に関する調査研究 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター P.21

障がいのある方に適した働き方もある

障がいがある方には、それぞれに合った働き方や職場環境があります。例えば、集中力を活かせる個人作業が多い仕事や、ルーティンワークで安定して働ける仕事、あるいは自分のペースで仕事を進めやすい在宅勤務などが考えられます。

障がい者雇用枠を利用することで、会社側があなたの障がい特性を理解し、必要な配慮をしてくれる職場を見つけやすくなります。また特例子会社のように、障がいを持つ方が働きやすいように特別に配慮された環境で働くという選択肢もあります。

障がいのある方の働きやすい環境や向いている仕事が知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

障がい者でも働ける仕事7選!適性を見つけて自分らしく働く方法

発達障がいの方の仕事に関するよくある質問

発達障がいを持つ方が働くうえで、心配になる時効は少なくありません。ここからは、発達障がいをお持ちの方がよく抱える疑問に回答します。

発達障がいを会社に伝えるべきですか?

発達障がいを会社に伝えるかどうかは、個人の状況や希望によって判断が分かれます。伝えることを「オープンにして働く」伝えないことを「クローズにして働く」と言います。

オープンにして働くメリットは、会社に障がいについて理解してもらい、必要な合理的配慮を受けやすくなる点です。業務内容や勤務時間の調整、職場環境の改善など、働きやすい環境など配慮してもらえます。その一方で、障がいを伝えることで、一部の業務に制限がかかったり、誤解されたりする可能性もゼロではありません。

クローズで働くメリットは、障がいを理由にして、採用で不利になることを避けられる点です。しかし、会社に障がいを伝えないため、困ったことがあっても配慮を求めにくいというデメリットがあります。

どちらの働き方を選ぶかは、自分の障がいの特性、希望する職種や会社の方針、そしてどれくらいの配慮が必要かなどを考えて決めましょう。

ADHDがある方に向いている職業とは?

ADHD(注意欠陥・多動性障がい)がある方は、特性を強みとして活かせる仕事があります。新しいことに挑戦できる仕事や、体を動かす仕事、クリエイティブな仕事などが向いていると言われています。

たとえば、デザイナーのように自分のアイデアを形にする仕事です。また、人と積極的に関わり、動き回る、イベント企画や営業の仕事も適している場合があります。ADHDの特性である「多動性」を活かして、事務作業のようにじっと座っているよりも、動きのある仕事で能力を発揮できる人も少なくありません。

自分の興味や得意なこと、そしてADHDの特性と仕事内容をよく照らし合わせて、自分に合った仕事を見つけましょう。

障がい者枠での仕事が気になる方は、こちらの記事をご覧ください。

障がい者枠の仕事には何がある?具体的な職種と応募の疑問を解決

まとめ

発達障がいを持つ方が「クビになるかもしれない」という不安を抱えることは、決して珍しいことではありません。

会社をクビになる原因として、遅刻や欠勤の多さや勤務態度の悪さ、従業員間のトラブルなどが挙げられます。しかし、発達障がいを理由とした解雇は違法です。会社をクビにならないために会社のルールを守り、職場で適切なコミュニケーションを取りましょう。

もし今の職場で働くことが辛いと感じる場合は、一人で抱え込まず、転職も視野に入れることをおすすめします。

障がいをお持ちの方で、転職のサポートを受けたい場合や、今の働き方に不安を感じている方は、プロセルチャレンジをご利用ください。

プロセルチャレンジは、就労継続支援A型事業所「プロセルワークス」を運営している会社です。障がいを持つ方の特性と職場環境を深く理解したスタッフが、あなたの就職・転職をきめ細やかにサポートしてくれます。

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