発達障がいのある方が面接を成功させるコツ!好印象を与える準備から質問回答例まで

2025.06.10
発達障がいのある方が面接を成功させるコツ!好印象を与える準備から質問回答例まで

発達障がいがあり、就職活動・転職活動の面接が苦手だと感じている方もいるかもしれません。面接で自分の特性をどう伝えたらいいのか、うまく話せるかといった不安を感じるのは自然なことです。とはいえ、面接のコツを知り、事前に準備をすれば、自信をもって当日を迎えられるでしょう。

この記事では、発達障がいを持つ方が面接で自信を持ってアピールするための具体的な方法を解説します。面接前の準備から、面接当日のポイントまで紹介するため、最後まで読んで理想の企業への就職を叶えるための一歩を踏み出しましょう。

発達障がいのある方が面接を準備するコツ

就職活動・転職活動の面接を成功させるためには、事前の準備が重要です。特に発達障がいを持つ方は紹介するコツを実践して、自信を持って面接に臨みましょう。

質問の回答例を作成しておく

面接で言葉に詰まったり、何を言えばいいのか分からなくなったりするのを防ぐために、質問の回答例を事前に作成しておきましょう。

面接では「自己紹介をお願いします」「あなたの長所と短所は何ですか」といった質問がよくされます。質問に対する自分なりの答えを、あらかじめ文章にしておきましょう。

回答例を作る際には、エピソードを交えながら説明すると、話に説得力が増します。例えば、長所を話すときに「私は集中力があります」と伝えるだけでなく、「学生時代に〇〇の作業に没頭し、他の人が気づかないような細かな点にも気づき、高い評価を得ました」のように伝えてください。

実際にあった出来事を加えると、面接官はあなたの長所をより具体的にイメージできます。事前に回答例を準備しておけば、面接中に焦らずに話せるでしょう。

質問の回答例は1分以内にする

作成した質問の回答例は、1分以内に話せるように練習してください。話が長すぎると、論点がずれてしまいやすくなります。面接官は限られた時間の中で多くの応募者の話を聞くため、分かりやすく簡潔に話すことが求められます。

回答を考える際には、まず質問に対する「結論」を最初に話すように心がけましょう。その後「なぜそう言えるのか」という理由や「具体的にどんな経験があるのか」といったエピソードを続けます。

例えば「私の長所は、深く掘り下げて考えることができる点です」と結論を話した後に「〇〇のプロジェクトで複雑な問題を解決するために、何時間もかけて資料を読み込み、最適な解決策を見つけることができました」と具体例を話してください。

声に出して、時間を測りながら練習すれば、面接官に的確に伝えられるようになります。

メモを見ながら回答する

面接中に頭の中が真っ白になってしまったり、話す内容を忘れてしまったりすることが不安なときは、メモを見ながら回答することも方法の一つです。

ただし、メモを見る際は、面接官に事前に一言断りを入れてからにしましょう。「申し訳ありませんが、緊張するとうまく話せないことがあるため、メモを見ながらお話ししてもよろしいでしょうか」と伝えると、丁寧な印象を与えられます。

メモの内容は一言一句書くのではなく、話したいキーワードや伝えたいポイントを箇条書きでまとめてください。すべてを読み上げるのではなく、あくまで話のきっかけとしてメモを活用する意識が大切です。

面接官の目を見て話す時間も確保できるよう、メモに頼りすぎない練習もしておきましょう。

ポジティブな回答をする

面接では、自分のよい面をアピールすることが大切です。そのため、ネガティブな内容を話す時でも、ポジティブな表現に言い換えましょう。ポジティブな表現を使うことで、採用担当者によい印象を与え、あなたの入社後の活躍を想像しやすくなります。

発達障がいによる特性を話す場合も、仕事にどう影響するか、そしてどのように工夫して乗り越えようとしているのかを伝えます。

単に「苦手なことがあります」と伝えるのではなく「〇〇という特性があるため、△△な工夫をして、仕事に支障が出ないように努力しています」と説明してください。採用担当者はあなたが自分の特性を理解し、前向きに取り組んでいると評価されることが期待できます。

面接でよく聞かれる質問と回答例が知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

障がい者採用で面接で聞かれる質問・回答例10選!好印象を与えるコツ

障がい者が採用担当者から聞かれやすい質問

障がい者枠の面接では、障がいについて踏み込んだ質問をされるケースがあります。正直に、そして前向きに答えることが重要です。

ご自身の障がいについて教えてください

採用担当者が応募者の障がいについて理解し、適切な配慮ができるようにするために聞かれます。ご自身の障がいについて、日常生活や仕事にどのように影響するかを分かりやすく説明することが重要です。

自身の障がいを説明し、同時にポジティブな側面や工夫している点を伝えるようにしましょう。採用担当者は障がいへの理解を深め、配慮すべき点が見えてきます。

【回答例】

私は発達障がい(ASDとADHD)があります。ASDの特性として、一度に複数の指示を受けると混乱するケースが珍しくありません。またADHDの特性として、集中しすぎると周りの音が気にならなくなったり、時間の感覚がずれたりすることがあります。

しかし特性があるからこそ、一つの作業に深く集中し、高い精度で物事を進められるのです。これまでの経験から、業務は一つずつ明確な指示をいただけるとスムーズに取り組めます。また休憩時間を定期的に取ると、集中力を維持しやすいです。

会社に配慮してほしいことはありますか

会社側が安心して障がい者を受け入れられるよう、必要なサポート体制を把握するために質問します。無理な要求をするのではなく、あれば助かることを具体的に伝えてください。

【回答例】

私は発達障がい(ADHD)があります。集中力を持続させるために、可能であれば定期的に休憩を取れるように配慮いただけると幸いです。また一度に複数の指示をされると処理に時間がかかることがあるため、業務の指示はメモやメールなど、文字でいただけると助かります。

集中しやすいパーテーションのある場所や、人の出入りが少ない場所に座席に指定していただけると、より業務に集中できると考えております。

面接でよく聞かれる志望動機の書き方が知りたい方は、以下の記事をお読みください。

障がい者枠の志望動機の書き方とは?職種・経験別の例文まで

面接当日のポイント

面接

面接当日は、準備してきたことをきちんと発揮できるよう、身だしなみや態度などのポイントを押さえましょう。

身だしなみに注意する

面接は話す内容だけでなく、身だしなみも採用担当者に与える印象を大きく左右します。面接官は身だしなみから、社会人としての常識があるか、TPO(時と場所と場合)をわきまえているか、相手に敬意を払っているかを見ています。

たとえ「服装自由」と指示があった場合でも、スーツを着用していくのが無難です。スーツやシャツ、ブラウスにしわがないようにアイロンをかけ、靴や鞄もきれいに磨いておきましょう。髪が長い方はまとめ、メイクは控えめにすることが大切です。

面接会場に10分前には到着するようにする

面接会場には、10分前には到着するように心がけてください。電車やバスの遅延、道に迷うなどの不測の事態に備えるためです。時間に余裕を持って到着すれば、落ち着いて気持ちを整えたり、身だしなみを最終確認したりする時間も確保できます。

ただし、早く着きすぎた場合は、近くのカフェや公共施設などで時間を調整し、会社の玄関には10分前くらいに着くようにしましょう。あまりにも早く到着しすぎると、会社側が対応に困る場合があります。

余裕を持って行動すれば、焦らずに面接に臨めるため、面接官にも良い印象を与えられるでしょう。

面接を待つ間の態度を気を付ける

面接を待っている間も採用担当者に見られている可能性があるため、態度にも注意を払いましょう。腕や足を組む、スマホを触る、大きな音を立てるなどの行動は避けるべきです。

待合室では背筋を伸ばして座り、静かに待つのが基本的なマナーです。待っている間も、企業から渡された資料に目を通したり、今日の面接で話したい内容を心の中で整理したりする時間にあててください。

周囲の人への配慮も忘れずに、落ち着いた態度で面接の順番を待ちます。細かな振る舞いに気を付ければ、真面目さや礼儀正しさをアピールできるでしょう。

面接当日の流れ

面接当日の流れを事前に把握しておくと、本番で戸惑うことなくスムーズに面接に臨めます。受付から退室までの流れとポイントを理解して、自信を持って面接日を迎えてください。

受付

会社に到着したら、まず受付で面接に来たことを伝えます。受付での挨拶は、第一印象を左右する大切な場面です。笑顔で、はっきりと自分の名前と面接に来た旨を伝えましょう。

「本日、〇時より面接のお約束をしております、〇〇と申します。採用ご担当の〇〇様にお取り次ぎいただけますでしょうか」のように、自分の名前や面接の時間、そして担当者の名前を明確に伝えることがポイントです。

丁寧な言葉遣いと落ち着いた態度で接すると、会社のメンバーに対してよい印象を与えられます。

入室

面接室への入室にも、いくつかのマナーがあります。ドアをノックする回数や、入室後の挨拶、着席のタイミングなどを覚えておきましょう。

基本的には、ドアを3回ノックします。「どうぞ」と言われたら「失礼いたします」と言ってから入室します。ドアは閉める際に面接官にお尻を向けないよう、振り返って静かに閉めましょう。直接部屋まで案内される場合は、案内に従って進みます。

入室したら椅子の横に立ち「〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします」と挨拶してください。面接官から「お座りください」と言われてから着席します。

面接・退室

面接中は面接官の質問に落ち着いて、はっきりと答えるように心がけましょう。

もし質問の意味が分かりにくい場合は「恐れ入りますが、もう一度ご説明いただけますでしょうか」と尋ねても問題ありません。無理に理解したふりをして、的外れな回答をするよりも、きちんと確認する方がよい印象を与えます。

退室する際には「本日はお忙しい中、誠にありがとうございました」と感謝の言葉を述べ、一礼します。ドアの前で再度面接官の方を向き「失礼いたします」と挨拶をしてから部屋を出ましょう。

まとめ

発達障がいを持つ方が面接で成功するためには、事前の準備と当日の落ち着いた対応が重要です。質問の回答例を作成し、1分以内にまとめられるよう練習しましょう。

また、自身の障がい特性や必要な配慮について、正直かつ前向きに伝えることも大切なポイントです。面接当日は身だしなみに気をつけ、礼儀正しい態度で臨むように心がけましょう。

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